自研センター指数とは|自研センターの概要と自研指数の5種類、板金見積での使われ方

自研センター指数(自研指数)とは、千葉県市川市にある株式会社自研センターが作っている、事故車修理の標準的な作業時間のことです。保険修理の見積では、この指数に工場の工賃単価を掛けて工賃を出す方法が広く使われています。国土交通省も令和8年6月の資料で、修理工賃の算定に自研指数が広く使われており、単位は「時間」だと説明しています。この記事では、自研センターの公式サイトと国土交通省の資料をもとに、自研センターがどんな会社か、指数の意味と5つの種類、作り方と前提条件、見積で使うときの注意をまとめました。単価の決め方、CAB工数との比較、塗装の指数の計算は、それぞれの専門記事へ案内しています。

この記事で確認した一次情報

自研センターとは(株式会社自研センターの概要)

自研センターとは、自動車の損傷と修理を調べ、事故車修理の指数を作っている株式会社自研センターのことです。会社概要によると、所在地は千葉県市川市二俣、設立は1973年7月2日、資本金は3億円で、2024年3月現在の役職員は79名、研修講師は17名です。設立時の社名は株式会社自動車保険研修センターで、1983年に今の社名に変わりました。事業の柱は、修理の参考作業時間を作る指数事業、自動車事故の損害調査に携わる人を育てる研修事業、修理技術を調べるリペア事業、損傷性や先進安全技術を調べるリサーチ事業の4つです。1978年に自動車修理の国際研究団体RCARへ正式に加盟し、1988年に完成した屋内型の衝突実験場で年間約100回の衝突実験を行っています。公式サイトのご挨拶では、損害保険業界と自動車業界の健全な発展への貢献を掲げています。

項目 内容(自研センター公式サイトの記載)
名称 株式会社自研センター(1983年に株式会社自動車保険研修センターから社名変更)
所在地 千葉県市川市二俣678番地28
設立と資本金 1973年7月2日設立、資本金3億円
人員 役職員79名、研修講師17名(2024年3月現在)
4つの事業 指数事業、研修事業、リペア事業、リサーチ事業
施設 敷地約14,700㎡、板金と塗装の作業エリア、作業観測室、衝突実験施設

研修事業では、日本損害保険協会の委託による技術アジャスターの基礎研修も行っています。アジャスターの資格と鈑金工場との関わりは、アジャスターとは(l6 鈑金塗装の開業支援)で扱っています。

自研センター指数(自研指数)とは

自研センター指数とは、事故車修理における標準的な修理作業時間を示した数値で、自研センターの公式サイトは単に「指数」と呼んでいます。単位は時間で、指数Q&Aは「指数は作業時間です」と書いています。2026年8月に公開したこの記事の旧版では、指数を作業量のポイントのように説明していましたが、正しくは時間です。自研センターの指数事業の紹介によると、同社は1976年に日本で初めて損傷自動車修理の「標準作業時間表」を公表しました。当初は作業を実測して表を作っていましたが、時間がかかりすぎるため、1985年から「基表方式」に切り替えています。基表方式とは、スポット溶接1点やボルト1本といった最小単位の作業ごとに、測定データを統計的に処理した「基表値」を決めておき、それを組み合わせて車種ごとの指数を作る方法です。国産車は新型とフルモデルチェンジの乗用車(軽自動車を含む)のほぼ全車種、輸入車は国内販売台数の多い乗用車を中心に作られています。

自研指数の5つの種類

自研指数には、脱着・取替指数、補修塗装指数、運転支援システム再設定・調整指数、外板板金修正指数、内板骨格修正指数の5種類があります。このうち最初の3つは車種ごとに作られ、外板板金修正指数と内板骨格修正指数は車種に共通の指数です。沿革によると、補修塗装指数は1980年、外板板金修正指数は1987年、内板骨格修正指数は1996年に作られ、運転支援システム再設定・調整指数は2021年10月に作成が始まりました。運転支援システムの指数は、該当するセンサを積んだ実際の販売車両がないと作れないため、まだ作られていない車種もあると指数Q&Aは説明しています。見積では、交換するバンパーの脱着・取替指数と、そのバンパーの補修塗装指数のように、複数の種類を組み合わせて使います。

指数の種類 対象の作業 作り方
脱着・取替指数 損傷部品などの脱着、取替 車種ごと
補修塗装指数 外板パネルを中心とした塗装 車種ごと
運転支援システム再設定・調整指数 超音波センサやカメラの脱着、取替などに伴う再設定と調整 車種ごと
外板板金修正指数 外板パネルの板金修正 車種共通
内板骨格修正指数 フレーム修正機を使って乗用車の骨格寸法を戻す作業 車種共通

補修塗装指数の塗り数値や加算基礎数値の足し方は、塗装の見積の出し方で計算例を使って説明しています。

自研指数の前提条件と含まれないもの

自研指数は、決められた条件のもとでの標準的な時間です。自研センターの「指数とは」によると、車両は1〜2年使用(2〜3万キロ走行)で汚れや錆が軽いもの、工場は認証工場の設備に加えてスポット、アーク、ガスの溶接機と簡易ボデー修正機を持つ一般的な整備工場、作業者は実務経験3年程度(補修塗装は実務経験5年か金属塗装技能検定2級程度)を前提にしています。指数Q&Aは、作業に使う工具や消耗品、塗料などの材料代、産業廃棄物の処理費用は指数に含まれないとしています。記録写真の撮影や整備記録簿の記入は間接作業として指数の外に置かれ、レッカー費用や外注工場への陸送費にも関わらないと書かれています。脱着・取替指数は取り付ける相手の部位が正常な状態であることが前提で、損傷で生じた変形を直す粗出しや板金修正の時間は含まれません。見積では、こうした指数の外の作業や費用を別の行に立てる必要があります。

指数Q&Aは、指数はあくまで見積りを作るための参考資料で、利用は強制されないとも書いています。作業範囲や手順の記載は指数の前提条件で、作業方法を指定するものではありません。

自研指数の使われ方(工賃=指数×指数対応単価)

自研指数は、事故車修理の工賃を「指数×指数対応単価」で計算するときの、時間の部分に使われます。国土交通省の令和8年6月の資料は、指数を各作業の標準的な作業時間(単位:時間)、指数対応単価を損害保険会社と事業者が交渉して決める1時間あたりの工賃(単位:円/時間)と説明しています。指数が全国共通の時間なので、同じ作業で工場ごとに工賃が違うのは主に単価の違いによります。自研センターは指数Q&Aで、指数対応単価をはじめレバーレートなど工賃の設定や算定には関わっていないと明記しています。また、損害保険会社からの出向者を受け入れているものの、指数部門には在籍しておらず指数作成に関与していないこと、指数の作成費用は各種見積りシステム販売会社のソフトウェア売上で賄われていることも公表しています。単価の決め方と保険会社との協議は指数対応単価(レバーレート)とはで扱っています。

自研指数を見る方法(指数テーブルと板金見積システム)

自研指数は、主に板金見積システムの収録データと、コグニビジョンが発行する資料で確かめます。自研センターの「指数とは」は、指数の使用方法が「指数テーブルマニュアル」(コグニビジョン発行)に書かれていると案内しています。このマニュアルの改訂版(2022年10月発行)は、2026年10月時点でコグニビジョンから税込、送料込の3,300円で販売されています。一方、車種ごとの指数を紙で引ける「車種別指数テーブル」は、2026年6月30日で販売を終了しました。コグニビジョンは代替の1つ目にコグニセブンを挙げ、指数ヘルプとして指数テーブルの情報を載せていると案内しています。ブロードリーフのBK.NS3は、自研センター作成の指数をコグニビジョンの使用許諾を得て「指数テーブル」から転載していると注記し、プロトリオスのモレノンNEXTも脱着、取替、塗装に自研センター策定の標準作業指数を採用しています。

製品ごとの違いは板金見積システムの選び方とトップの比較早見表で比べられます。

自研指数の改定と、時間が足りないときの対応

自研指数は、自動車メーカーの修理書で作業方法の変更が確認されたときに見直されます。ただし指数は新型車の発売ごとに作られ、マイナーチェンジによる組付け構造や補給形態の変更には対応していないと指数Q&Aは説明しています。作業実態との差は、お客様相談室に寄せられる意見の分析と、毎年の工場での作業観測で確かめているとのことです。沿革には、2024年の「指数作成のあり方見直しプロジェクト」の発足、2025年のフロントサスペンションメンバ単独指数の新設、2026年の脱着・取替指数の前提となる作業の最新化が載っています。国土交通省は令和8年6月の調査で、ドイツのCABが作ったCAB工数と自研指数を比べ、板金作業ではCAB工数が長くなる傾向を公表しました。同時に、自研指数の時間内に作業が終わらない場合は損害保険会社と個別に交渉し、調査結果を「自研指数の○○%増」といった提示の根拠に使わないよう周知しています。

比較の詳しい内容はCAB工数とはにまとめました。

  1. 指数の前提条件と照らし合わせる

    車両の状態、相手部位の損傷、錆や固着など、指数の前提から外れている点を書き出します。

  2. 指数に含まれる作業を確かめる

    指数テーブルマニュアルや見積システムの指数ヘルプで、含まれる付随作業を確かめ、重複して計上していないかを見ます。

  3. 作業の様子を記録する

    前提から外れた作業を写真と作業内容の記録で残し、かかった時間をメモします。

  4. 損害保険会社と個別に話す

    記録をもとに、追加で必要になった作業と時間の妥当性を説明します。進め方は保険会社との協定の記事を参考にしてください。

  5. 指数の疑問は相談室へ

    指数の作業範囲そのものに疑問があるときは、自研センターのお客様相談室(フリーダイヤル0120-289-124、平日のみ)に問い合わせます。

板金見積システム選びを、専門家に無料で相談

自社の単価を登録して技術料を自動計算できる板金見積システムを、扱う車種と保険修理の件数に合わせてご提案します。EGWebプロとコグニセブンは体験版もお申し込みいただけます。

専門家に無料で相談するコグニセブン体験版EGWebプロ体験版

よくある質問

自研センターとは何の会社ですか?
事故車修理の標準的な作業時間を示す指数を作り、損害調査に携わる人の研修や、自動車の損傷と修理の調査研究を行う会社です。正式名称は株式会社自研センターで、所在地は千葉県市川市、設立は1973年7月2日です。
自研指数の単位は何ですか?
時間です。自研センターの指数Q&Aは「指数は作業時間です」と書き、国土交通省の資料(令和8年6月)も指数の単位を時間としています。工賃は、この時間に1時間あたりの指数対応単価を掛けて出します。
自研センターは工賃の単価も決めていますか?
決めていません。指数Q&Aは、指数対応単価をはじめレバーレート等の工賃の設定や算定には関わっていないと明記しています。単価は工場が自社の費用をもとに決め、保険修理では損害保険会社と協議します。
見積で必ず自研指数を使わなければいけませんか?
義務ではありません。指数Q&Aは、指数は見積りを作るための参考資料で、利用は強制されないとしています。ただし保険修理では、指数をもとに損害保険会社と協定する方法が広く使われています。
車種別指数テーブルはまだ買えますか?
買えません。コグニビジョンの「車種別指数テーブル」は2026年6月30日で販売を終了しました。指数の使い方を書いた「指数テーブルマニュアル」の改訂版は、2026年10月時点で3,300円(税込、送料込)で販売されています。
指数を使った見積と、整備や車両販売の管理はまとめられますか?
板金見積システムの見積を請求や顧客管理に手で写すと、二重入力が増えます。自動車整備システムや車販ソフトと連動できる見積ソフトを選ぶか、整備ソフト おすすめの情報で連動の可否を確かめておくと、見積から請求までの転記が減ります。

参考にした一次情報

この記事は次の一次情報をもとに作成しています(2026年10月24日確認)。

板金見積システムを試す・相談する

体験版で実際の操作を確かめるか、専門家に自社に合うシステムを無料で相談できます。

専門家に無料で相談するコグニセブン体験版を申し込むEGWebプロ体験版を申し込む自社に合うソフトを診断する(無料)

日本カーネットのおすすめサービス